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焦点:中国当局の乏しい通貨支援、「1ドル=7元」可能にするか

中国人民元の対ドル相場が歴史的な低水準になっているにもかかわらず、人民銀行(中央銀行)の支援に向けた動きは異例なほどに乏しい。
このため市場では、中国当局が為替介入についてより慎重な姿勢となり、もはや特定の相場水準を目標としてはいないのではないか、との観測が広がっている。


人民元の対ドル相場CNY=CFXSは、米中貿易協議の見通しが悪化に転じた今月上旬以降で2.5%余り下落し、過去において中国当局が「下限」だと示唆していた1ドル=7元が目前だ。

景気減速や対米貿易摩擦激化に直面しながらも投資家の信頼を何とか確保しようとしている中国当局にとって、人民元安が海外への大規模な資金流出を引き起こすリスクは大きな懸念材料となっている。

ただ人民銀は、香港で元建て債を発行したり、毎日の人民元の基準値を常に市場の予想より高く設定する以外は、これといって手を打っていない。

OCBC銀行(シンガポール)の広域中華圏調査責任者Tommy Xie氏は「個人的な見方では1ドル=7元の意味は2016年当時ほど重大ではなくなった。政策担当者はより自信を持っている」と語り、1ドル=7元を守るコストの問題もあると付け加えた。

15年には人民元を一気に2%切り下げた影響で先安観が強まり、中国当局は市場の流れを食い止めるためにおよそ1兆ドルもの外貨準備を投じなければならなかった。
18年には、人民銀がフォワード取引の準備率を引き上げて元の空売りコストを高め、相場安定を狙った。
複数の国有銀行も、人民元を支えるためのスワップ取引を通じたドル売りに動いた。

ところが今の局面では、対米貿易摩擦が続いている中でも、人民銀高官が「口先介入」を開始したのは20日の週になってからだ。
劉国強副総裁は、人民銀系中国紙の金融時報に対して、人民元を「基本的に安定させる」ことは可能で、相場変動に対処する豊富な政策手段があるとの見方を示した。

後略


2019年5月27日 ロイター通信より

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