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最近、中国経済のニュースが少ない理由


<昨年は巷に中国のニュースがあふれていたが、今年はあまりニュースが入ってこない。 便りがないのは良い知らせ、ということなのか?  確かに昨年のような株価暴落もなく、景気回復の兆しも見えるのだが......>

「いいことばかり報道して、悪いことを報道しない(報喜不報憂)」。
1990年代初めに私が北京に長期滞在していた頃、中国の知人たちは中国のメディアをこのように評していました。



実際、国内で旅客機の墜落といった大きな事故があっても、テレビのニュースでは取り上げず、新聞の片隅にチラリと出る程度でした。

~中略~

日本のメディアは幸いにしてまだそこまで歪んではおらず、国内のことについて「悪いことは報道しない」なんてことはありません。
ただ、中国のこととなると、「悪いことばかり報道して、いいことを報道しない」傾向が強まっているように思います。
先日、NHKテレビのニュースを見ていたら、中国の田舎の交通事故で2人死亡というニュースが映像とともに流れて、ついにNHKも中国中央電視台(CCTV)並みになったのか、と唖然としました。
日本人が巻き込まれたわけでもないし、そもそも日本人が訪れる機会があるとは思えない場所で起きた、(犠牲者には申し訳ないけれども)ありふれた交通事故にどのようなニュース価値があったのか。

【今年は悪いニュースが少ない】


私は今年4月から4か月間ヨーロッパにいた間に、中国のマクロ経済の最新動向に少し疎くなった気がしておりました。
帰国後、遅れを取り戻すべく情報を集めるなかでわかってきたのは、疎くなったと感じたのは東京にいるときに購読していた中国の新聞が読めなくなったせいばかりでなく、中国経済の「悪いニュース」が余りなく、そのため日本のメディアが中国経済のことを余り取り上げなかったからでした。

去年(2015年)は、中国経済がゴタゴタ続きでしたから、日本のメディアでも盛んに取り上げられました。
6~7月には株価が崩壊しましたし、8月には人民元の為替レートが急落して世界に動揺が走りました。
年末には人民元安を見込んだ投機のアタックがあり、中国当局は元の防衛のためにかなりの外貨準備を費やしました。

ところが、2016年に入ると株価や為替が一転して静かになりました。
株価は1月から3000ポイントあたりでずっと平穏なままです。
為替レートは3月の1ドル=6.5元前後から9月には6.7元前後とやや下がり気味ですが、中国当局が外為市場に大規模な介入を行うほどの動揺は起きていません。
中国経済が表面上は安定していたため、中国のマクロ経済の話題がほとんど取り上げられなかったのです。

~中略~

しかし、いま起きていることが投資や重厚長大型産業の成長に牽引された経済成長からさまざまなネットサービスや金融サービスが牽引する消費、サービス産業、イノベーション中心の経済成長への転換だとしたら、後者が盛んな地域で不動産業や投資が活発になるのは当然のことです。
景気の状況がまだら模様になっているのは経済構造の転換が進行中である証しです。
今後しばらくは国全体としては曇りだが、ところどころ晴れ間がさし、ところどころでは雨が降るという景況が続くと思います。



2016年9月27日 ニューズウィーク日本版 丸川知雄氏コラムより抜粋
掲載元:http://www.newsweekjapan.jp/marukawa/2016/09/post-18.php
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